『だったら、年齢の上限はこの辺?』

 

オレのバイト先の懇親会が、けっこう盛り上がった。オレはまだ未成年で酒は飲めなかったが。

3次会が終わってさすがに解散となったんだが、何人かは泥酔をしていて、そのまま返せないだろう、と言うことになって、タクシーを呼ぶことにした。
特に、古株の主任、藤田さん(女性)はほとんど眠っていて、付き添いに、と家が近いオレに白羽の矢がたった。

ところが、タクシーの中で藤田さん、目を覚ましたかと思うと急に吐き出しそうになった。

慌ててタクシーを止めて貰って、外に出た。
そのまま待たせるのもなんなのでタクシーには帰ってもらい、オレはしばらく藤田さんの介抱をすることになった。

ところでこの藤田さん、かなりの美人なのだ。

歳はたぶん、30手前くらいだろうか。派手な雰囲気ではなく、清楚な感じのする癒し系の美人だ。
オレは、彼女を解放しながらも、その身体に触れて少しヨコシマな気分を催してしまった。
実はオレ、藤田さんのことが好きなのである。まえまえから、なんとか彼女とは親しくなりたいと思っていたのだ。

しばらく休んで彼女も落ち着いたみたいで、さて家に帰ろうか、と言うことになったのだが、タクシーが捕まらない。
電話で呼び出しても、今は出払ってしまっているとのこと。
吐き気は収まったものの眠気で朦朧としている藤田さんを、オレはやむなく、近くのホテルに連れて行った。
やむなくだよ、やむなく。

ホテルのベッドに寝かせると、彼女は目を覚ました。
そして現状を把握すると、困った表情でオレを見つめた。

「・・・・・・す、するの?」

まぁ、こういう状態だったらそう疑われても仕方がない。
怒っているわけではなく、困った表情だったので、オレは調子に乗って「藤田さんが嫌じゃなければ」とか言ってしまった。

すると藤田さん、しばらく考え込んでから、「やっぱりダメ、セックスはダメ」と断ってきた。
バツが悪くなったオレは、ちょっとおちゃらけて残念がったのだが、彼女はいたって真面目だった。

「でも、あなた、・・・興奮しちゃってるんだよね?」

藤田さんは、もっこりと期待にふくらんでいたオレの股間に視線をよこして、そういった。

「ごめんなさいね、私、あなたのこと、嫌いじゃないよ。
 だけど、私今まで男の人と付き合ったことがなくて、そういったことがぜんぜん分からないのよ」

オレは驚いた。
こんな美人が、この年まで誰とも付き合ったことがなく、セックスはおろかキスすらしたことがないとは。

オレは、藤田さんに、(ちょっと格好悪いけど)交際を申し込んだ。
彼女もしばらく迷ったが、お友達から、と言うことで頷いてくれた。
まるで少女のような言いぐさと大人びた風貌のギャップに、オレはくらくらと目眩がする思いだ。
スゲー興奮する!

オレは早速、キスを求めたのだが、彼女は真っ赤になって首を振った。やはりまだ、キスは早い、と言うことらしい。
残念に思いつつ、オレは諦めることにした。がっついて、せっかく受けてくれた交際をキャンセルされたらもったいないし。
オレがキスを諦めると、それでも彼女は、オレの股間に気を遣っている。

「・・・やっぱり、年上の私が、何とかしてあげないと」

そういって藤田さんは、俺の前に跪いた。恐る恐るズボンのジッパに手を掛ける藤田さん。

「お口でするの、男の人は喜ぶのよね?」

 

オレは、キスの落胆を上回る役得に、心の中でガッツポーズを取った。

 

 

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